2024年7月26日

 

 7月13日、静岡大学浜松キャンパスの同窓会である浜松工業会の全国支部長会が母校で行われました。

 

 私は四国の支部長をさせていただいていますので今年も出席しました。支部長会では台湾の葉支部長や北九州の猪飼支部長はじめ顔なじみの方々にお会いして旧交を温めました。

 

 支部長会の前日には60年前のヤマハの同期生3人とお会いして再会を喜び合いました。明治40年創業の「うなぎ料理あつみ」で鰻料理をビールを酌み交わしながら平らげました。

 

 同期生は3人とも元気でヤマハに勤務していた時代に世界の各地で事業を開拓した思い出に花が咲きました。

 

 支部長会の翌日は60年前のヤマハの上司ご夫妻と夏の会席料理をいただきながらゆっくりと語り合いました。

 

 ヤマハの上司である田口盛行さんは卒寿になられましたが今も2か月に5回はプールで体を鍛えているとのことでした。血色もよく、頭の回転も速く、60年前と同じように爽やかで味のある語り口でした。

 

 食事が終わった後、奥様が浜松駅まで車で送ってくださいました。お土産までいただき本当に感謝に堪えません。

 

 浜松駅では新幹線の待合室で待ってくださっていたヤマハ俳句クラブの方々と旧交を温めました。吟行した思い出に花が咲きました。徳島に来たこともあると言っていました。

 

 この旅行でこんな句ができました。

 

淡路かな玉葱小屋のある青田

雨の日も若竹の山輝きて

梅雨霧の淡路丸ごと包み込み

梅雨霧の瀬戸の島々ぼんやりと

梅雨霧の京都五山をすっぽりと

梅雨霧に京都タワーもぼんやりと

梅雨霧に比叡も比良も見えざりし

佐和山の城址跡にも青田かな

霧晴れて青田広がる関ヶ原

稲沢は植木の町と聞く緑

名古屋とは偉大な田舎草茂る

梅雨霧の先に浜名湖見えて来し

旧友と蘭の花咲く駅前で

八十歳揃ひ鰻を浜松で

八十歳ともに鰻を平らげて

鰻旨しビール旨しと談弾む

おつまみは鰻の肝の串焼きで

茶碗蒸しにも入ってをりし鰻

健啖や鰻完食八十歳

台湾の友とブーゲンビリア見る

台湾の友とビールを酌み交はす

ビール好しワインまた好し日本酒も

ビール飲み朝まで眠るぐっすりと

夏会席昔の上司ご夫妻と

六十年前の上司と鱧を食ふ

梅雨晴れに卒寿の上司ご夫妻と

夏会席完食されし卒寿

卒寿なほ日本の未来憂う夏

健啖の卒寿酷暑に怯まれず

炎天下卒寿の上司送りくれ 

2024年7月17日

 

 私は7月5日から7日まで家族16人で沖縄旅行を楽しみました。この旅行を計画してくれたのは長男の嫁で事前に各自の都合や希望などを聞いて綿密なスケジュールを立ててくれました。

 

 旅行の前には次男、三男、そして私たちの家に一冊づつ手作りの旅行ハンドブックを届けてくれました。

 

 沖縄には長男家族は名古屋の中部セントレア国際空港から、次男と三男と私たちの家族は高松空港から参りました。

 

 那覇市の国際通りで合流した私達は国際通りの真ん中にあるJALシティホテル那覇で古くからの友人であるおばあちゃんにお会いしました。

 

 おばあちゃんの名前は石川フミ子さん。卒寿を越えられていますがお元気でこの日も手縫いしたと言うお洒落で沖縄らしい涼しそうな服を着て来てくれました。

 

 石川さんは40年ほど前に私が初めて沖縄の県議会議員の選挙の応援に行ったときお会いして以来、親交を重ねてきました。

 

 毎年、自家製のマンゴーや島らっきょなどを送ってくれました。子供や孫たちにもお裾分けしたので皆んな沖縄に行ったらマンゴーのおばあちゃんにお会いしてお礼をしたいと言っていました。

 

 この日のおばあちゃんは手縫いしたというお洒落なブラウスと共にハイカラなサングラスもかけていました。子供たちが手作りした感謝の手紙を渡すととても喜んでくれました。おばあちゃんを囲んで記念撮影もしました。

 

 このあと、私たちは3台のレンタカーに分乗して那覇市内を観光し、恩納村のビーチホテルに行きました。ホテルでは2連泊し、プールで遊んだり、美浜アメリカンビレッジで夕日を見たり、ジップラインで海の上を滑走もしました。

 

 ジップラインは全長250メートルの海上を滑走するのですが、私も初挑戦しました。地上13メートルから美しい海と海岸の風景を堪能しながら味わうスリルは格別のものがありました。

 

 滑走する一部始終をドローンで撮影してくれるサービスもあり、撮影した後はその録画を提供してくれました。楽しい旅の記録となりました。

 

 恩納村の産直市場・おんなの駅にも寄りました。沖縄名物の豚足をいただき、マンゴーなど南国のフルーツが山盛りのアイスも美味しかったです。

 

 本部半島の突端にある美ら海水族館では深海の魚、黒潮の魚を見、ジンベイザメのゆっくりと泳ぐ姿を堪能しました。

 

 古宇利島大橋も渡りました。長年、波で浸食された岩がハートの形に見えることから有名になったハートロックのあるティーヌ浜にも参りました。

 

 夜は沖縄の民謡を聞きながら、沖縄料理を楽しみました。アーサー汁、豆腐よう、ソーキそば、てびちそば、もずく酢、もずくの天婦羅、そして肉料理に新鮮な魚の料理、どれも美味しかったです。

 

 こんな句ができました。

 

十六人家族揃って夏の那覇

炎天の空の青さよここは那覇

ゴールデンシャワーなる花枝垂れ咲く

ゴールデンシャワーはタイの国花とか

街路にもアリアケカズラ美しく

街頭でソフトクリーム似合ふ街

卒寿過ぎてもサングラスよく似合ふ

お洒落かな手縫ひブラウス涼しさう

緑濃き街の真ん中モノレール

夏の夜のリゾートタウン煌煌と

椰子茂る道行き夏の夕日見る

沖縄の海に真夏の夕日かな

金色に染めて真夏の夕日落つ

金色の海に真夏の夕日落つ

夏の夜の海辺椰子にも点灯し

ハワイかと思う街にて夏の夜を

夏の夜を美浜アメリカンビレッジで

夏の夜の昼のやうなる街歩く

沖縄の夏はプールが一番と

沖縄のホテル大好きプール好き

ジップライン真夏の海を下に見て

ドローンの記録が夏の思ひ出に

白雲の浮かぶ真夏のハイウエイ

夏雲の下に伊江島くつきりと

夏の旅一番人気水族館

夏の子らジンベイザメに無我夢中

古宇利島大橋下で蟹探す

夏楽し十六人の笑顔かな

巡り来しハートの岩の海涼し

蟹探すハートの岩の海岸で

夏の旅那覇空港に別れ告げ

また来ると入道雲に誓ひもし

また来ると七夕飾る短冊に

七夕の笹にまた来る願ひ込め

2024年6月26日

 

 第213通常国会が23日閉幕しました。公明党はこの国会を「政治改革国会」と位置付けて精力的に活動してきました。

 

 昨年、自民党派閥の政治資金問題が発覚。公明党は政治への信頼を早期に取り戻す必要があると、今年1月18日、他党に先駆けて「政治改革ビジョン」を発表しました。

 

 自民党との協議で改革案を取りまとめ、最終的に自公党首会談で公明党の主張に沿った内容にすることで決着しました。

 

 改正政治資金規正法では、まず第1に公明党が訴えてきた、議員本人も責任を負う、いわゆる「連座制」の強化が盛り込まれました。

 

 第2に政治資金の透明性向上のためにパーティ券の支払いを口座振り込みに限定すること、パーティ券購入者の公開基準額を「5万円超」へ引き下げることが明記されました。

 

 第3に政策活動費を監査する「第三者機関」の設置も盛り込まれました。改正法は2026年1月1日に施行されますが、岸田文雄首相は施行日までに設置できるようにしたいと国会で公明党議員に答弁しました。

 

 今回の政治資金規正法の改正では「首相、公明党案丸のみ」(朝日)。「10万円超に固執していた自民が公明の主張を受け入れた」(毎日)などのマスコミ報道もありましたが、公明党は最初からぶれずに自らの主張を貫きました。

 

 改正政治資金規正法が19日に成立したことを受け、公明党は20日、党として改正法に盛り込まれた具体策を着実に実施していくため「改正政治資金規正法の実施推進プロジェクトチーム」を設置しました。

 

 山口那津男代表は21日の党衆参両院議員総会で「法律の成立を受け、技術的、実務的に進めなければならない課題をしっかりと仕上げていく。施行に間に合うよう詰めていくことが重要であり、自民党にも働き掛け、野党の理解と協力も得ながら最終的な施行に備えたい」と表明しました。

 

 石井啓一幹事長も「真に実効性の高い法律に仕上げていく決意だ。与野党をリードできるよう取り組む」と強調しました。  

2024年5月30日

 もう5月も30日。月日の経つのは本当に早いものです。4月29日に大光会の愛媛県総会がありましたので私は長男の運転する車で家内と共に愛媛県まで参りました。

 

 現職の議員の皆様も出席くださった大光会の総会では東京から全国世話人であり、女性部長である高木美智代さんが出席してくださいました。

 

 愛媛県に来るのは40年ぶりという高木さんの話には青春時代の思い出も込められて情感の深いものになりました。参加者の皆さんもとても喜んでいました。

 

 大光会の愛媛県総会を終えた後、私は家族と共に道後温泉の行きつけのホテルで一泊しました。夕食はホテルの近所のいつもの店でいつもの宇和島の鯛めしを家族そろっていただきました。

 

 翌日、ホテルで朝食を済ませた後、道後温泉から山越の道をたどって行き、今治からは「しまなみ海道」で生口島の平山郁夫美術館に立ち寄りました。平山郁夫美術館は3度目の訪問になりましたが、平山郁夫画伯の世界を心行くまで堪能しました。

 

 この後、サイクリングの人たちに人気の店でソフトクリームをいただき、尾道の町に向かいました。尾道では名物の尾道ラーメンをいただき、尾道港に立ち寄りました。昔の倉庫が若者に人気のショッピングモールに生まれ変わっていました。

 

 ここでゆっくりと尾道の町を楽しんだ後、岡山から瀬戸大橋を渡って徳島に帰りました。2日間の走行距離は500キロメートルを超えていました。

 

 5月の14日には東京の公明党本部で大光会の全国方面代表世話人会がありましたので、上京いたしました。

 

 全国方面代表世話人会に引き続いて開催された全国県代表世話人協議会では3人の方面代表世話人が活動報告しました。私もその一人として四国各県の県総会の近況を報告しました。

 

 宿泊したホテルは公明党本部に近いホテルニューオータニにしました。このホテルは庭が美しいので時間を見つけては庭園を散策しました。

 

 今回の旅でこんな句ができました。

 

春宵の道後の町をそぞろ来て

宇和島の鯛めしに来る宿浴衣

風薫る平山郁夫美術館

門入れば緑の美しき美術館

清楚なる庭に卯木の群れ咲いて

新緑の庭に卯木の白い花

紫蘭咲く道より美術館に入る

部屋の中からも五月の庭を見る

春の月かもと名画を眺めもし

冷房の部屋で名画の旅も見て

尾道の港にそよぐ風は初夏

初夏の旅尾道ラーメン旨かった

東京は緑緑の都かな

夏の闇にも眠らない都心

雪の富士見えるよ初夏の東京に

都心からはっきり初夏の富士も見て

涼風に誘はれ滝に立ち寄りぬ

涼しかりホテルの庭の滝なれど

見上げれば目にもやさしく若楓

石庭の五月躑躅の垣の美しさ

鯉の池には睡蓮の三つ四つ

鯉泳ぐ岸辺茅花の残り咲き

犇ける五月躑躅の真っ赤っ赤

遠目にも五月躑躅の明るさよ

2024年4月17日

 

 私は4月14日、日本伝統俳句協会四国支部徳島県部会研修会を兼ねて行われた4月の『祖谷』の吟行句会で徳島県上勝町の「月ヶ谷温泉」を訪ねてきました。

 

 徳島駅まで迎えに来てくれた「月ヶ谷温泉」のバスで正木ダム周辺の残花を見た後、85歳の方が生家でチューリプをはじめたくさんの花を栽培されている庭園を見学させていただきました。

 

 「月ヶ谷温泉」では牡丹桜が咲いておりこれを見た後、温泉の下を流れる勝浦川の河原に降りて河鹿を聞きました。しばらくすると河鹿が鳴き出し、たっぷりと聞くことがました。

 

 温泉では新鮮な山菜が盛られた美味しい昼食をいただいた後、岩田公次主宰を中心に吟行句会が開催されました。

 

 また、4月16日には5年ぶりに開催された香川県琴平町の「第37回四国こんぴら歌舞伎大芝居」を岡山県の友人夫妻とともに鑑賞してきました。

 

 今回は四国こんぴら歌舞伎が行われる金丸座のすぐ近くにある「琴平グランドホテル桜の抄」に前泊してゆっくりと琴平の町と歌舞伎を堪能してきました。

 

 歌舞伎の出し物は伊賀越道中双六沼津と羽衣でした。沼津では松本幸四郎と中村鴈治郎が息の合った絶妙の演技を見せてくれました。

 

 羽衣では天女を演じた中村雀右衛門が宙乗りする場面もあり、金丸座ならではの演出が印象に残りました。

 

 この旅行でこんな句ができました。

 

田植機のおもちゃのごとし小さき田

チューリップ育てることが生きがいと

チューリップ咲かせ生家に戻り住む

石垣に犇き咲きて芝桜

犇きて咲く美しさ芝桜

山吹の桜ひとひら乗せて咲き

石楠花も咲かせ八十五歳とか

著莪の花咲ける崖下り河鹿聞く

河鹿鳴く声のだんだん近づきぬ

左から右から河鹿鳴きにけり

木琴を叩けるごとく河鹿鳴く

重唱のやうな河鹿の鳴きっぷり

河鹿鳴く次第に声を張り上げて

独唱の河鹿の声の乗って来る

いやといふほどに河鹿を聞き昼餉

甘酒の差し入れまでもいただきて

山宿の昼は旬の山菜尽くしかな

青空に鶯を聞く露天の湯

たっぷりと鶯を聞く朝の湯に

樟落葉二つ三つ四つ露天の湯

湯上りに残る桜を眺めゐる

鼠木戸より薫風と共に入る

木戸開けて薫風入れて金丸座

歌舞伎見る課外授業や子らの初夏

宙乗りの雀右衛門も見柏餅

空へ舞ふ天女鮮やか風光る

芝居はね初夏の眩しき現世に

2024年4月12日

 

 私は3月30日、神山町にある明王寺で樹齢100年になる枝垂れ桜を見てきました。翌31日には美馬市脇町のデ・レイケ公園でチューリップと桜を見て、帰りに河野メリクロンで牡丹桜と青い胡蝶蘭を見てきました。

 

 4月5日には吉野川市の向麻山公園で満開の枝垂れ桜を見ました。好天に恵まれ何組もの家族連れがお花見に来ていました。

 

 4月7日は鳴門市の観音寺で始まった牡丹祭りを見たあと、ホテル・モアナコーストの庭園で満開になったばかりの染井吉野を見ました。帰り道に北島町のチューリップ園に立ち寄りました。

 

 4月12日には阿波市土成町の神宮寺で牡丹を見てきました。ここの牡丹は紅白の牡丹が有名ですが、いずれも綺麗に咲いていました。

 

 この5日間でこんな句ができました。

 

百歳の枝垂れ桜の威容かな

百歳の枝垂れ桜の枝垂れやう

百歳の枝垂れ桜を仰ぎ見る

百歳の枝垂れ桜を見んと来て

百歳の桜に屋台まで出来て

百歳の桜に臨時駐車場

百歳の桜に人の集まれる

遠目にもほんのり赤き山桜

枝垂れ桜越しに山桜も見え

境内を敷き詰め枝垂れ桜散る

チューリップ眺め桜も仰ぎ見て

原色といふ美しさチューリップ

整列もまた美しきチューリップ

もう走り出してゐる子らチューリップ

咲き初めし染井吉野のほの赤く

チューリップ園に水車の建物も

赤い花白い桜と咲き満ちて

枝垂れ咲く牡丹桜でありにけり

室咲きの胡蝶蘭かな一列に

室咲きの青美しき胡蝶蘭

遠目にも咲き満ちてをり花の山

満開の花のトンネルくぐり行く

下山する人が優先花の山

この山の枝垂れ桜を今年また

枝垂れ桜越しに阿讃の峰も見て

枝垂れ桜とはこんなにも大振りな

風なくも枝垂れて枝垂れ桜かな

満開の桜広場を走る子ら

咲き満てる花を眺めてゐる二人

お花見をするのは大人子は走る

子ら遊ぶ枝垂れ桜を身に纏ひ

散り敷ける上に一片また落花

桜散る大地に早も蒲公英が

散り急ぐ花はなけれどまた落花

散る桜残る桜もやがて散る

桜散る大地の土に帰りゆく

午後となり少し萎れてゐる牡丹

日を浴びて牡丹いよいよ艶やかに

犇きて咲ける牡丹もありにけり

咲き揃ひ牡丹の寺となりにけり

鉢植の牡丹の紅の艶やかさ

鉢植の白い牡丹に見惚れゐる

咲き満てる染井吉野の白さかな

青空に染井吉野の白眩し

どっと来る日曜のチューリップ園

チューリップ園には家族皆で来る

チューリップ園の水車は喫茶店

とりどりの色美しきチューリップ

見るよりも駆け回る子らチューリップ

チューリップ園に歓声こだまして

けがれなき色でありけり白牡丹

懸命に生きて真っ赤や赤牡丹

遠目にも薄く紅差し白牡丹

紅差していよいよ美しき白牡丹

日当たりにありても凛と赤牡丹

門前にありし一株赤牡丹

2024年3月28日

 

 今年は3月2日と3日にNPО法人蜂須賀桜と武家屋敷の会が主催する蜂須賀桜のお花見会が徳島市中央公園の助任川南岸にある桜並木と武家屋敷である原田家住宅で開催されました。

 

 今や蜂須賀桜のお花見の名所となった助任川南岸では、桜並木が大きく育ってたくさんの人が一月も早くお花見を楽しんでいました。ここでは蜂須賀桜と武家屋敷の会の皆さんがお花見の席を用意されていました。

 

 原田家住宅では同じく蜂須賀桜と武家屋敷の会の皆さんが武家屋敷で安達流の華道展を開催してお花見に来た皆さんに楽しんでもらっていました。庭園にある蜂須賀桜の母樹は今年も見事に咲き満ちていました。

 

 今年は初の試みとして原田家住宅にも助任川南岸にも俳句の投句箱が設えられており、お花見をしながら俳句を楽しまれている風景が見られました。

 

 私は二か所のお花見会に出席するとともにその後、蜂須賀桜が散ってゆく助任川南岸にも吟行しました。こんな句ができました。

 

これはまあ雪の花見となりにけり

青空に紅美しき桜かな

蜂須賀の殿の愛でたる桜見る

蜂須賀の世より伝へし桜見る

戦災を耐えし蜂須賀桜見る

焼夷弾落ちても桜生き延びて

お花見のできる日本のありがたく

戦争の無き世を願ひ見る桜

一と月も早く満開なる桜

雛飾る部屋より眺む桜かな

武家屋敷には春の花生けられて

廊下には安達流なる寒椿

庭園の岩にはミモザ美しく

玄関に椿一輪活けられて

武家屋敷よりも蜂須賀桜見て

蜂須賀桜と木札にありし母樹大き

母樹なりし蜂須賀桜仰ぎ見る

投句箱あるを確かめ桜見る

観光船よりも蜂須賀桜見て

コーヒーをいただきながら桜見る

お花見の一句を投句箱に入れ

エチオピア大使も来られ見る桜

阿波踊しつつ花見に来る人も

一と月も早く花見のできる阿波

阿波藩の世より伝へし桜見る

植ゑし人思ひ出しつつ見る桜

花も葉も赤き蜂須賀桜かな

一と月も早く散りゆくこの桜

敷き詰めし上にひとひらまた落花

散り急ぐ花はなけれどまた一花

落つる花しばし眺めてをりにけり

遠目にも見ゆる川面の花明かり

川面にも桜並木の美しく

散り残る花を訪ねて来し人も

散る花をじっと見る人見ない人

敷き詰められし落花の美しき

敷き詰められし落花を踏んで行く

2024年1月7日

 

 今年の正月は能登半島地震と羽田空港での航空機事故という誠に悲惨な出来事から始まりました。

 

 航空機事故では日航機の乗員と乗客の適切な行動で乗客と乗員が全員救出されました。日航機に滑走路上で衝突した海上保安庁の飛行機の乗員は6人のうち5人が死亡しました。

 

 能登半島地震では余震がなおも続いており、6日午後5時現在、死者は126人、安否不明者が210人。死者や安否不明者はなおも増え続けています。

 

 そんな中、石川県珠洲市で地震発生124時間経つ倒壊家屋から90代の女性が救出されたという嬉しいニュースが報道されました。

 

 目を世界に転じますとウクライナではなお戦争が続いており、ガザでも寒さの中で戦火にされされている人々が多数います。二つの戦争では死者が増え続けています。

 

 日本の平穏と世界の平和を祈りつつ、私は長男の運転する車で高知県の足摺岬まで初旅をしてきました。

 

 足摺岬は四国に生まれて80年経つ私がまだ行ったことのない四国南端の岬です。ここで今年一年の明るいスタートを切りたいと思い切って行ってきました。

 

 3日に徳島を出発して道後温泉、内子座と巡り、西予市のホテルで一泊。翌、4日は宇和島市、四万十市、土佐清水市から足摺岬に参りました。

 

 足摺岬で見た太平洋は大きく水平線が弧を描いて見えました。地球の丸さを実感する水平線を見て徳島に帰ってきました。

 

 この旅でこんな句ができました。

 

正月の道後温泉賑はひて

初売の道後の町の華やかさ

初売の街ぶつからぬやう歩く

初旅は伊予の名所を駆け足で

初旅は内子座にまで立ち寄りて

西伊予の初旅魚尽くしかな

好きなだけ蜜柑どうぞとあるホテル

冬晴の宇和島駅の明るさよ

冬晴の宇和島駅の椰子仰ぐ

松山へ土佐へ行こうか乗初めは

宇和島の駅の綺麗な松飾

正月の四万十川のゆったりと

水澄める四万十川の青さかな

冬日差す足摺岬灯台に

正月の光真白き灯台に

初旅の遠く足摺岬まで

新年を足摺岬より始む

初旅は丸い水平線も見て

初旅ははるか黒潮見ゆ岬

野路菊のへばりつくかに咲く岬

野路菊も見て寒椿咲く岬

冬晴の太平洋の明るさよ

正月の太平洋の青さかな

寒晴にジョン万の像高き岬

初春や土佐は偉人の多き国