2025年3月19日
蜂須賀桜と武家屋敷の会のお花見会が今年は3月8日と9日に徳島市の助任川南岸と原田家住宅で行われました。
寒さが厳しかったせいでしょうか。昨年より一週間遅く開催したにもかかわらず、寒風の中で蕾の蜂須賀桜を見るお花見会になってしまいました。
それでも原田家住宅の蜂須賀桜の母樹は二部咲きになっていて見応えがありました。原田家住宅では期間中、安達流の華道展が開催されており私も見てきました。
昨年に続いて両会場には投句箱が設置されていました。昨年の入選句が張り出さていてそれを眺めながら俳句を楽しんでいる人たちも散見されました。
一週間後の16日には俳句結社・祖谷の吟行句会が両会場でありました。この時は原田家住宅の母樹の蜂須賀桜は満開になっており、助任川南岸の蜂須賀桜も七分咲きになっていました。しかしながら冷たい雨が降り続き、お花見にも来る人はまばらでした。
お花見会と吟行句会でこんな句ができました。
退院の出来て蜂須賀桜見る
二年目の蜂須賀桜投句会
入選句展示されある花見かな
寒風の中の花見となりにけり
三代の家族揃ひて見る桜
蕾から赤き蜂須賀桜かな
ほのと咲き赤き蜂須賀桜かな
植ゑし人そこにゐるかに桜見る
植ゑし人皆で語りて桜見る
植ゑし日を昨日のやうに見る桜
あの人もこの人も逝き桜見る
孫たちに囲まれて見る桜かな
川べりは花の名所となりにけり
蜂須賀の桜の母樹の大きかり
蜂須賀の時代いかにと桜見る
大戦を耐えて蜂須賀桜咲く
焼夷弾落ちたる庭に桜咲く
一本の桜に人の絶え間なく
次の世を担う子らも来桜見る
幹太き母樹の蜂須賀桜かな
一本の桜に鳥来る人も来る
一本の桜に名士次々に
外つ国の賓客までも来る桜
川からのピアノも聞きて桜見る
船からのピアノも聞こへ桜見る
そこそことほころぶ花を教へられ
見るほどにほころぶ花の増えにけり
二分咲きて赤き蜂須賀桜かな
仰ぎ見る母樹の蜂須賀桜かな
桜見て華道展にも足運び
落椿浮かべてありぬ玄関に
雛壇に添へてありしは桃の花
この桃も小さき花を付け初めし
こじんまり活けられゐるは黄水仙
床の間の桃も小さき花つけて
連翹と椿の赤と雪柳
菜の花とほころび初めし桃の花
江戸の世を今に伝へし桜咲く
二百歳と聞く蜂須賀桜咲く
咲き満てる母樹の蜂須賀桜かな
満開の蜂須賀桜見て嬉し
一本の桜に人来る鳥も来る
手入れさる庭に蜂須賀桜かな
薔薇の芽の小さき棘に降る小雨
犇ける白木蓮の蕾かな
雨の日の蜂須賀桜赤殊に
七分咲き蜂須賀桜らしき赤
春寒の公園鳩も丸くなり
落椿真っ赤や城の搦手に
雨に濡れ赤瑞々し落椿
2025年2月2日
美馬市脇町のうだつの町並みにある吉田家住宅では華道家の假屋崎省吾さんの「うだつをいける~花のひなまつり~」が1月19日から3月9日まで開催されています。假屋崎省吾さんのこの催しは今年で17回を数えるということです。
私は昨2月1日、行ってきました。入場料を払って吉田家住宅の展示場に入ると広い邸内には1階にも2階にも雛が飾られ、豪華な花嫁衣裳の打掛が飾られ、豪快で繊細な假屋崎省吾さんならではの華道展となっていました。
今回は~花のひなまつり~の副題が付けられているように私には華やかな雛祭りを見に来ている感じがしました。
飾られた雛人形の一つ一つに刻まれた歴史を感じながら展示ごとにゆっくりと鑑賞させていただきました。
吉田家住宅は1792年からの歴史を刻む藍商の館であり、美馬市の指定文化財になっています。館の壁にはうだつの街の歴史が絵で描かれており、三味線餅つきやお正月の初売りの様子、そして阿波木偶まわしで賑わう正月風景などが生き生きと今に伝えられていました。
今回の吉田家住宅の訪問でこんな句ができました。
艶やかな打掛に添へ実南天
金銀の打掛まぶし実南天
花やかな打掛の前雛飾る
雛壇は花また花に飾られて
吊るし雛壇の雛と飾られて
可愛くて美しきかな雛の顔
二階への階段にまで雛飾る
お優しいお顔でおわす内裏雛
賢さうなお顔でありし内裏雛
お若かき美男美女かな内裏雛
このごろの雛壇の雛可愛らし
このごろの雛の顔は幼顔
雛壇の雛にハートの花飾り
飾られしハートの中に内裏雛
弓矢持つ随身雛の凛として
仕丁雛沓台待ちし泣き上戸
脇町に三味線餅つきなる歴史
三味線に合はせ餅つき楽しまん
脇町の正月風景絵に残る
正月に阿波木偶まはし来しと絵に
2025年1月4日
皆様、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。私は新年をふるさと徳島県で迎えました。
正月の一日には初日の出を見た後、家族揃って北島町で新年勤行会に出席。この一年の家族全員の健康と幸せそして世界の平和を祈りました。
その後、鳴門市のホテルで新年会をしました。このホテルでの新年会はこのところ恒例となった感がありますが、初凪の鳴門の海を眺めながら美味しいイタリア料理をいただきました。
料理をいただいた後は、会場を移して喫茶を楽しみました。会場から見えるホテルの広い庭園の木々は綺麗な冬紅葉になっていました。
ホテルを出た後、自宅で少し休憩して皆で買い物に出かけました。私は二人の孫とともに藍住町のショッピングモールに行きました。ここで獅子舞と出合いました。元旦に獅子舞に出合えたことは嬉しいことでした。
元旦と二日を11人の家族で過ごした後、三日には長男の運転する車で室戸岬の海を見に行きました。
途中で高知県の白浜海水浴場にある道の駅・東洋町で土佐の取れ立ての鮪が盛られたランチをいただきました。
室戸岬では最初に岬の道路際にある三階建ての展望台に登って太平洋を眺望しました。そのあと、室戸スカイラインから室戸岬の燈台に参りました。
室戸岬の燈台までは室戸スカイラインの駐車場から登りと降りの山道を歩きました。登りの道は険しかったですが、道路際にキバナアマが咲いているところもあり、いい思い出になりました。
燈台からは視界270度で太平洋が展望されました。ちょうど日没が始まっており、私たちはたくさんのカメラマンとともに落暉の瞬間をカメラに収めることができました。
こうして過ごした正月にこんな句ができました。
正月を家族揃って健啖で
正月を家族で過ごす楽しさよ
初鏡する子に育ち待たさるる
冬紅葉眺めながらの談弾む
元旦に一年の計語り合ふ
ふるさとの川を染め上げ初明り
初明り浮寝の鴨にやさしかり
蓮の田のこふのとりへも初明り
ふるさとの海染め上げて初日の出
初日の出見たとの知らせ次々に
獅子舞のショッピングモール踊り抜け
獅子舞を面白がる子怖がる子
初旅は室戸岬の海を見に
南が恵方と決めてただ走る
初春の南の海の優しかり
初旅は土佐の鮪をいただきて
正月の太平洋の長閑さよ
のんびりと土佐の正月楽しまん
初旅は視野一杯の太平洋
初凪の室戸の海の静けさよ
初凪の鯨の海の真つ平
初凪の太平洋の見渡さるる
初凪の室戸の漁港鎮もりて
灯台へキバナアマ咲く道を行く
正月の光り眩しきキバナアマ
初春の太平洋の青さかな
正月の灯台真白に輝きて
正月の海染めて上げてゐる入日
正月の室戸岬の落暉かな
日落ちれば大寒燈の燈台に
太平洋までも寒燈送る崎
寒灯の灯らぬ家の多き里
寒灯を見ぬ道なれど国道と