ショッピングモール七夕飾りして
短冊に秘め事書きて吊るしをり
葉を見れば確かに松葉牡丹かな
葉は松か花は菊かな松葉菊
アフリカ産松葉菊かな夏が好き
太陽に真面なりけり松葉菊
松葉菊なるはこの花夏の花
待ちかねし雨に紫陽花蘇る
雨滴置く紫陽花の葉の瑞々し
梅雨晴れにアガパンサスの清々し
梅雨に咲くアガパンサスの凛として
雨後の白美しき半夏生
庭先に小さけれども半夏生
里山に白の極まる山法師
庭木とし育ててをりぬ山法師
こふのとり巣立つ徳島モラエス忌
ジャカランタ咲ける徳島モラエス忌
ほととぎす眉山に鳴けばモラエス忌
モラエス忌来れば徳島梅雨明ける
孤愁とはファドの心よモラエス忌
モラエス忌修し皆んなでファド歌ふ
ポルトガルワインは甘しモラエス忌
焼餅もまた甘かりしモラエス忌
ケーブルで行きし旧居やモラエス忌
鰯焼くリスボンの路地モラエス忌
リスボンは坂の街かなモラエス忌
朝の日に凛々しかりけり古代蓮
梅雨明けてひろびろと咲く古代蓮
日を浴びて蓮の雨滴の光る朝
古代蓮咲いて人来る犬も来る
古代蓮見んと誰もがカメラマン
美しき紅の色かな古代蓮
青空の下一面の古代蓮
金の蕊眩しかりけり古代蓮
蓮田にはマムシ注意の札の立ち
青空に眩しかりけり古代蓮
千年の眠りから覚め古代蓮
古代蓮咲きて過疎地に人の来る
古代蓮咲きこふのとり巣立つ里
古代蓮育て自然を守らんと
古代蓮育て地球を守らんと
古代蓮咲かせ名所となりにけり
どつと来てもう止んでゐる夕立かな
川一つ渡れば止んでゐる夕立
吉野川渡り切る前夕立止む
夕立来る気配の雲となつて来し
土砂降りのもう青空となる夕立
さつと止む土佐の夕立の男ぶり
髭剃つて顔も洗つて髪洗ふ
髪洗ふドライヤーはいりません
夜濯し汗の一と日を締めくくる
夜濯し旅の初日を終りけり
明日も着るつもりのアロハ夜濯す
夜濯や軽装の旅楽しみて
土手刈ってあれども強き草いきれ
むつと来てよろけるほどの草いきれ
目の回りさうな臭ひや草いきれ
西の下の西日背にせし虚子の句碑
西の下に遍路の句碑に西日差す
モラエスの像は西日に向かひ立つ
西日にはサングラスして運転す
海月ゐる遊覧船の乗り場かな
薄暗き水族館に見る海月
宇宙遊泳してゐるやうな海月かな
がぶがぶと見ず飲むごとく西瓜食ふ
塩振ればいよいよ甘き西瓜かな
クール便なるマンゴーの重かりし
完熟のマンゴーとあり重かりし
熊本の友のマンゴー届く朝
朝一に届くマンゴー重かりし
完熟と云ふマンゴーの甘さかな
人の死す暑さとなりし大暑の日
青空に雲一つ無き大暑の日
人の死すほどなる暑さけふ大暑
庭中に酢漿草の花広がれる
酢漿草のこんもり茂り花数多
酢漿草の夕べの雨に花閉じて
酢漿草の花散るほどの雨でなく
酢漿草の雨滴を乗せて凛と咲き
酢漿草の昨日の雨に生き生きと
いよいよに酢漿草の花咲き満ちて
酢漿草の盛りの花の瑞々し
仙人掌の花の蕾のそこらじゅう
仙人掌の蕾日に日に膨らみて
仙人掌の蕾大きく膨らみて
仙人掌の蕾いづれも日に向かひ
仙人掌の蕾の赤くふつくらと
明日は咲きさうな仙人掌きつと咲く
ぱっと咲く仙人掌の花二十七
一と朝に咲き満てる仙人掌の花
爆発するかのやうに仙人掌の花
太陽を正面に仙人掌の花
はち切れんばかり仙人掌花開く
仙人掌の今日を限りと開く花
青空が好きと仙人掌花開く
仙人掌の花には棘の無かりけり
仙人掌の花美しく瑞々し
太陽を母に仙人掌花開く
仙人掌の今日を限りの花の彩
仙人掌の花に勢のありにけり
仙人掌の花に憂ひの無かりけり
仙人掌の花に希望をいただきぬ
紫の花菖蒲かな群れ咲きて
紫は貴き色よ花菖蒲
紫の菖蒲の花に気品あり
紫の菖蒲の花が特に好き
紫の菖蒲の花に見惚れゐる
花菖蒲と言へばやはり紫よ
これはまあ白い菖蒲の花なりし
紫の一本立ちの花菖蒲
群生の紫が好き花菖蒲
存分に見る紫の花菖蒲
仰ぎ見る夾竹桃の白い花
この白い花は夾竹桃の花
始まりは白でありけり七変化
紫の色の出て来し七変化
漬け方を書いて辣韮を売ってゐる
砂地なる鳴門の辣韮旨いよと
古漬のあるを知りつつ辣韮買ふ
大粒と小粒の辣韮買ってみる
守宮ゐしバスの始発の山の宿
屋根裏に守宮古宿守るかに
尻尾切り逃ぐる守宮を見しと聞く
大の字になり青芝に寝てゐる子
青芝は子らの大きなすべり台
青芝を踏んでゴルフをしたる日も
青芝と言へば寝転びみたくなる
醤油造る土蔵の黴を宝とし
醗酵と腐敗を語り黴語る
醤油屋は伝へ来し黴大切に
鯉よりも巧い鯰の泳ぎやう
清水にもこんな元気な鯰をり
鯰釣り蒲焼きにして食べたる日
旨かったですよ鯰の蒲焼きは
香りあり見上げて見れば栗の花
遥かより匂ひ来るなり栗の花
青臭く強き匂ひや栗の花
青芒掻き分け行けば斬られたり
青萱に触れ一の字の傷の跡
我が腕に残る傷跡青芒
太陽に怯まず真直ぐ青芒
青芒私もしゃんとしていかな
垣に咲く紫陽花の色増しにけり
色増せる紫陽花を見る楽しさよ
酢漿草は強き花かななほも咲く
咲き継げる酢漿草の花瑞々し
列なして花開きをり額の花
紫の色美しき額の花
鉢植の小さきも額の花ならん
小さくとも凛としてをり額の花
小さくとも品の好きかな額の花
ここもまた咲かせてをりぬ額の花
これもまた松葉牡丹と云ふけれど
葉を見れば確かに松葉牡丹かな
明日は雨明日こそ雨と濃紫陽花
紫陽花の雨待つ色でありにけり
ショッピングモールに泳ぐ鯉幟
二階から見下ろして見る鯉幟
東京の空の玄関五月晴れ
さわやかに昭和百年寿ぎぬ
長閑かな昭和百年なる日本
昭和百年を祝ひて夏に入る
寿ぎの初夏の東京大手門
懐かしき友と寿ぐさわやかに
頂きし紫蘭咲きけり我が庭に
紫蘭咲き庭の明るくなりにけり
甘き香や蜜柑の花の咲いてをり
犇きて咲くは蜜柑の花なりし
新緑の五色台より瀬戸の海
五月晴れ瀬戸大橋もよく見えて
鱏泳ぐ水の都の町川に
潮入の川に夏来ぬ鱏泳ぐ
薔薇園の甘き香りの中にゐる
薔薇の名は片仮名ばかりもう忘れ
春潮の鳴門の渦を目の下に
春潮の渦の広がる速さかな
そこらじゅう渦巻く春の鳴門かな
春潮の鳴門の渦の大きさよ
来合はせて春の鳴門の大渦を
巻き込まれまいと踏ん張る渦見かな
巻き込まれさうなスリルも観潮船
観潮船行き交ひをれど渦見えず
観潮の海鵜三匹見て帰る
観潮に来て平潮を見る我ら
春潮と云へど平潮渦は無し
観潮に来て石段を登るとは
観潮に来て平潮に出合ひたる
平潮の観潮船は静かなる
平潮の観潮船はのんびりと
潮見表通りの渦となりにけり
伊島までまっ平らなる夏の海
廣太郎迎へ徳島五月晴れ
母の日の緑清しき眉山かな
巡りたる薔薇の色香に酔ひにけり
一巡し薔薇を見てゐる人を見る
あれも好しこれも好かりと薔薇を見る
好きな薔薇探して園を巡る人
これこれと好きな薔薇へと誘はれて
一巡しも一度好きな薔薇を見る
忍冬の花や眉山の頂上に
忍冬の花の白さの遠目にも
母をふと山帰来の葉の柏餅
ふるさとは山帰来の葉の柏餅
柏餅大好きですと女の子
柏餅目当ての老舗混んでをり
柏餅一品だけの小商
堂々と正体見せろ根切虫
いかんぜよ隠れてするは根切虫
正体は知らねど憎き根切虫
卑怯とはお前の仕業根切虫
香り好く湯加減も好き菖蒲の湯
山の湯の子らに菖蒲湯プレゼント
香り好く疲れ吹き飛ぶ菖蒲の湯
朝の間の酢漿草の花生き生きと
夕べには酢漿草の花もう眠り
渦巻けば観潮船のどよめける
そこらじゅう渦巻く春の大潮よ
巻き込まれまいと踏ん張る渦見船
のけぞつてまた踏ん張つて渦見船
渦の巻く度に歓声観潮船
春潮の鳴門の渦に見惚れゐる
春潮の鳴門海峡目の前に
大渦の生まれ広がる速さかな
お互ひに手を振り合ひて観潮船
感動を乗せて観潮船帰る
春の旅ホテルの夕餉伊勢海老も
春の旅淡路牛なるステーキも
三年虎河豚を食べんと淡路島
なんたって鍋は三年虎河豚よ
子と孫と河豚鍋作る幸せよ
大家族揃ひ金婚祝ふ春
春の旅玉手箱なる朝食も
玉手箱明ければ春の香りして
花冷えの野外で淡路バーガーを
海沿いにお洒落なパン屋春日差す
玉葱は宿泊テント日脚伸ぶ
長椅子に寛ぎ春の日差し受く
イルカ見て春の連休過ごす子ら
春麗イルカ大きくジャンプして
春一と日乗馬楽しむ子らもゐて
ゆつたりと乗馬楽しむ春の旅
海沿ひのホテル窓から春日差す
春の旅酸素呼吸器にも慣れて
椅子並べ春の瀬戸内観られよと
淡路島一回りせし春の旅
瀬戸の海眺めてランチ風薫る
フルーツは苺苺の山盛りを
フルーツは苺と決めていただきぬ
春風や鐘打つ人の絶え間なく
磯遊び出来る処も作られて
春の旅大ブランコに集いもし
玉葱の形の椅子に春日指す
淡路かな春玉葱の発送も
石鎚のサービスエリアにて花見
お花見に立ち寄る人の途切れなく
公園の桜こんなに咲き満ちて
公園に桜咲き満つ明るさよ
音もなく始まってゐる花吹雪
花吹雪庭のバージンロードにも
海沿ひのホテルの庭で花見かな
お花見の用意されあるホテルかな
ゆつくりと椅子に座りて花見せん
仰ぎ見る花の中よりこぼる花
日本は平和と思ふ花見かな
日を浴びてしだれ桜の輝ける
お休みは今日でおしまひチューリップ
家族連れ年寄り仲間チューリップ
真っ白は子らの心やチューリップ
真っ赤なるチューリップみて口づさむ
白もまた口づさむ色チューリップ
黄色また口づさみみるチューリップ
紫のチューリップとは珍しき
尖りし花弁また好しチューリップ
桜見てチューリップ見て牡丹見る
牡丹見るなら朝の間に来られよと
牡丹咲く午後も凛々しくしなやかに
牡丹咲く午後となりても鮮やかに
日の陰にありし牡丹の美しく
生き生きとありし日陰の牡丹かな
捨てし物ばかりを使ひ鴉の巣
山葵田の覆ひの裏に小鳥の巣
針金も器用に曲げて鴉の巣
葱坊主並び一年生の行く
欄干の擬宝珠まさに葱坊主
モスクワの教会ここも葱坊主
種取るといふ気なけれど葱坊主
藍植うと畑の綺麗に均されて
藍が好きだから私も藍植うと
学びたく来てまづは藍植うと言ふ
藍植ゑてゐるは藍染学ぶ人
藍植うは根をしっかりと踏みつけて
一茶の句口づさみゐる雀の子
散らばってすぐ集まって雀の子
竹林に入ればぞろぞろ雀の子
土掘れば出て来し蛙痩せてをり
雨降ればぴよこんぴよこんと蛙の子
庫裏の池すいすいすいと蛙の子
お得意は平泳ぎかな蛙の子
柳絮とは丸きものなりふんはりと
札所への道を柳絮の集まりて
柳絮飛ぶふんはりとまたふんはりと
巣作りの燕飛び交ふ道の駅
遠く来て早も巣作りする燕
番かも二羽で巣作りする燕
燕らの巣作り競ひ合ふやうに
頬かすめ飛びたる燕大きかり
泥付けて巣作り始む燕かな
捏ね回し泥が好きなる燕かな
散り始むしだれ桜を仰ぎ見る
青空にしだれ桜の吹雪かな
青空のど真ん中より飛花落花
いきなりの河鹿の声に迎へられ
川澄んで河鹿の声も澄み渡る
山吹のしだるる谷に河鹿鳴く
石楠花も二つ三つ四つ咲き始め
山里の石楠花の紅瑞々し
チューリップ園は米寿の生き甲斐と
花の里作ると米寿さわやかに
足元に散らばる瑠璃や犬ふぐり
紫の美しき地獄の釜の蓋
山の湯の木道行けば著莪の花
著莪の花存分に見て引き返す
山里に残花訪ねる我らかな
ふるさとの若葉のことに瑞々し
ショッピングモール今年も雛飾る
雛壇を寿ぐ吊るし飾りかな
雛壇を囲める吊るし飾りかな
雛壇に吊るし飾りの賑やかに
雛飾り吊るし飾りも飾られて
雛壇の左右に吊るし飾りかな
雛祭る吊るし飾りも飾られて
長城は霾なかにありにけり
黄砂降る北京の街を暗くして
黄砂降る贋アカシアの街路樹に
ワイパーの音の軋める黄砂かな
斜交ひに切つて次々挿木する
挿木して蜂須賀桜増やせしと
挿木して蜂須賀桜バチカンに
焼夷弾落ちたる庭に土筆摘む
土筆摘む四国三郎横に見て
ほどほどでいいよと云ひて土筆摘む
一面にあれば摘みたくなる土筆
鳰のゐて鴨のゐぬ川ひろびろと
鴨帰る予兆も無くて突然に
残るもの一つもをらず鴨帰る
雛飾り見て月食を見る一と日
山茱萸の花が屋敷の裏庭に
山茱萸の花の明るき武家屋敷
蜂須賀の殿の愛せし桜咲く
青空に咲き満つ蜂須賀桜かな
蜂須賀桜咲けば人来る次々に
蜂須賀の世をそのままに桜咲く
蜂須賀桜咲いて平和のありがたく
世の平和母樹の桜に祈りけり
蜂須賀の殿に見せたきこの桜
空襲に耐へし蜂須賀桜咲く
蜂須賀桜咲けばこんなに人の来る
花びらの紅濃き蜂須賀桜かな
武家屋敷客間に雛も飾られて
寄り添ふて幸せさうな内裏雛
江戸の世を今に蜂須賀桜咲く
殿も呼び蜂須賀桜見せたかり
トンネルの出来し蜂須賀桜かな
船からも手振り蜂須賀桜見る
お花見に熱きコーヒーありがたく
徳島は蜂須賀桜より花見
大きかり蜂須賀桜のトンネルは
まづ花のトンネル抜けてお茶席に
お花見はまづは蜂須賀桜より
バチカンに蜂須賀桜咲きしてふ
お花見に熱き甘酒コーヒーも
散り始むお花見もまたよろしかろ
川面にも赤き蜂須賀桜かな
青空の天辺よりの飛花落花
走り根に寄り合ってゐる飛花落花
遠目にもぱつと明るき黄水仙
ロンドンの古城の庭の黄水仙
艶の良き産直市の熟柿かな
産直の甘さ控へ目なる熟柿
出来立ての草餅ですと売られをり
出来立ての草餅らしく佳き香り
伊予柑も文旦もまた八朔も
皮剥きて春の果実の砂糖漬け
伊予柑のいよいよ甘き砂糖漬け
八朔は少し多めに砂糖入れ
産直の市にずらりと春苺
明るさの春の苺でありにけり
草餅も黍餅もまた手作りと
産直の市に草餅コーナーも
雛壇に迎へられたるロビーかな
雛壇の前で傘寿の友を待つ
おつとりと天辺にあり内裏雛
表情の豊かでありぬ仕丁雛
おきざり草今年も咲いて春近し
遠目にもおきざり草の明るさよ
開く花閉じる花ありおきざり草
夕べには眠りゐるかにおきざり草
満作の勝手気ままな捻じれやう
満作の先競ふかに咲きにけり
高々と咲く満作の遠目にも
金縷梅見てより御苑巡りたる
猫の恋叶えばしらつとして通る
猫の恋叶わぬ時はしょぼしょぼと
雨に濡れ恋に破れた猫帰る
春一は怖いと墓碑銘差して云ふ
春一は怖いと故老漁語る
春一は怖いと若き漁師さへ
春一は気引き締めてと伝へられ
どこもかも菠薐草に明け暮れて
どの家も菠薐草を作る里
早過ぎる菠薐草の育ちやう
休みなき菠薐草の出荷かな
あれほどの鱵の刺身これつぽち
これつぽちとなる鱵の刺身かな
透き通るほどの鱵の刺身かな
小鳴門の潮に乗り来るてふ鱵
鶯のとぎれとぎれに鳴くも佳し
鶯の声のいよいよ乗つて来る
正調をたつぷり聞かす鶯も
鶯の谷渡りなる名調子
去年咲きし牡丹の榾を焚きにけり
牡丹焚残れる灰の軽さかな
鎌倉も上野も佳かり寒牡丹
藁苞の童のやうな寒牡丹
藁苞に秘めた蕾や寒牡丹
藁苞のをみななるかな寒牡丹
藁苞に数多の蕾寒牡丹
藁苞を開ければぱつと寒牡丹
藁苞は別天地かな寒牡丹
金の蕊しつとりとして寒牡丹
藁苞に大きな花弁寒牡丹
下萌の大地にすくと立てる句碑
句碑の辺に早も咲き出で福寿草
句碑の辺に寄り添ふやうに福寿草
お互いに寄り添ひ咲ける福寿草
華やかに咲いて句碑守る淡紅梅
空蝉を付けて満開淡紅梅
椿咲く一輪なれど凛として
膨らめる椿の蕾そこここに
春を呼ぶ造り酒屋の催しに
春日差す造り酒屋の杉玉に
遠目にもミモザの花の鮮やかさ
鮮やかなミモザの花に迎へられ
お祝ひに春呼ぶ花の飾られて
祝典に春の花々飾られて
日脚伸ぶ子らと馴染の鮨屋へと
早春を祝ひ家族で旬の鮨
連休に帰省した子と鮨屋へと
九人の家族で春呼ぶ集ひかな
春のネタ並ぶ上鮨旨かりし
金婚の春と花束贈られて
人生の春と金婚祝ひくれ
春を呼ぶ大き花束嫁らより
金婚の春を卒寿の祝ひくれ
隣席も金婚の春祝ひくれ
卒寿なる人へ春呼ぶ花束を
春を呼ぶ花束囲み写真撮る
蘭の花飾り新年迎へけり
お正月にといただきし蘭の花
咲き満てる蘭に勢のありにけり
瑞々しき日々でありたし蘭の花
凛と立ちたる門松に迎へられ
門松の辺り清気のありにけり
年越しはうどんと決めて列に着く
冬空に一時間待ちうどん食ぶ
名物の水車の辺り冬日差す
石臼の飛石の庭冬日差す
飛石と水車に冬日やはらかく
冬晴れの屋島の空の明るさよ
三が日好きな雑煮で過ごしけり
丸餅も角餅もある雑煮かな
数の子と鰻茶漬けの四日かな
十二人家族揃ひて新年会
スープより新年会の始まりぬ
前菜もまた美しき新年会
健啖の揃ひて嬉し新年会
新年会好きなパスタも平らげて
メインには舌平目なる新年会
手作りはやはり旨しと吊し柿
子も孫も喜びくれし吊し柿
手作りの晩白柚とて送りくれ
食べ方も書きて送らる晩白柚
晩白柚砂糖漬けしてくれし嫁
咳止めにと晩白柚の砂糖漬
山茶花の花を眺めて店に入る
もう一度山茶花眺め店を出る
青空に赤の際立つ実南天
青空へ真直ぐに伸びて実南天
金柑の満艦飾に実をつけて
金柑の一樹大事に五十年
金柑の穫れたお礼の寒肥と
金柑のジャム今年また作ろうか
坪庭に赤のまぶしき実万両
葉の下に色づく赤や実万両
整然と並ぶ椿の蕾かな
葉隠れに椿の蕾凛と立ち
アセチレンランプ懐かし初戎
見知らざる人にも会釈初戎
駄菓子屋の賑ほふてゐる初戎
路地裏にあれど賑やか初戎
福笹を背に斜め差しせし人も
福笹の列が駅までホームまで
福笹の列がシャッター通り行く
買初に日本橋まで行きし日も
買初に行くデパートも無くなりし
買初に行きたきほどのものも無し
薔薇園の寒肥臭ひ無かりけり
寒肥が大事と庭師来てくるる
寒肥をこんな木にまでする庭師
よく咲きし百日紅にも寒肥を
寒肥し窒素燐酸加里語る
寒肥を語る庭師の博識さ
寒肥は大事と庭師熱弁に
寒肥は後が楽しみてふ庭師
庭師来て確と寒肥され帰る
朝の間に消毒も寒肥もされ
室咲の蘭に勢のありにけり
室咲の蘭にほのかな香りかな
室咲の梅の大鉢土佐の宿
皸の昭和も遠くなりにけり
皸の死語となりゆく令和の世
皸の昭和の母は強かった
軟膏を注せど皸疼く夜
大寒に日本列島大寒波