今月の俳句

2026年1月

蘭の花飾り新年迎へけり

お正月にといただきし蘭の花

咲き満てる蘭に勢のありにけり

瑞々しき日々でありたし蘭の花

凛と立ちたる門松に迎へられ

門松の辺り清気のありにけり

年越しはうどんと決めて列に着く

冬空に一時間待ちうどん食ぶ

名物の水車の辺り冬日差す

石臼の飛石の庭冬日差す

飛石と水車に冬日やはらかく

冬晴れの屋島の空の明るさよ

三が日好きな雑煮で過ごしけり

丸餅も角餅もある雑煮かな

数の子と鰻茶漬けの四日かな

十二人家族揃ひて新年会

スープより新年会の始まりぬ

前菜もまた美しき新年会

健啖の揃ひて嬉し新年会

新年会好きなパスタも平らげて

メインには舌平目なる新年会

手作りはやはり旨しと吊し柿

子も孫も喜びくれし吊し柿

手作りの晩白柚とて送りくれ

食べ方も書きて送らる晩白柚

晩白柚砂糖漬けしてくれし嫁

咳止めにと晩白柚の砂糖漬

山茶花の花を眺めて店に入る

もう一度山茶花眺め店を出る

青空に赤の際立つ実南天

青空へ真直ぐに伸びて実南天

金柑の満艦飾に実をつけて

金柑の一樹大事に五十年

金柑の穫れたお礼の寒肥と

金柑のジャム今年また作ろうか

坪庭に赤のまぶしき実万両

葉の下に色づく赤や実万両

整然と並ぶ椿の蕾かな

葉隠れに椿の蕾凛と立ち

アセチレンランプ懐かし初戎

見知らざる人にも会釈初戎

駄菓子屋の賑ほふてゐる初戎

路地裏にあれど賑やか初戎

福笹を背に斜め差しせし人も

福笹の列が駅までホームまで

福笹の列がシャッター通り行く

買初に日本橋まで行きし日も

買初に行くデパートも無くなりし

買初に行きたきほどのものも無し

薔薇園の寒肥臭ひ無かりけり

寒肥が大事と庭師来てくるる

寒肥をこんな木にまでする庭師

よく咲きし百日紅にも寒肥を

寒肥し窒素燐酸加里語る

寒肥を語る庭師の博識さ

寒肥は大事と庭師熱弁に

寒肥は後が楽しみてふ庭師

庭師来て確と寒肥され帰る

朝の間に消毒も寒肥もされ

室咲の蘭に勢のありにけり

室咲の蘭にほのかな香りかな

室咲の梅の大鉢土佐の宿

皸の昭和も遠くなりにけり

皸の死語となりゆく令和の世

皸の昭和の母は強かった

軟膏を注せど皸疼く夜

大寒に日本列島大寒波